成人矯正(本格矯正治療)とは
「歯が前に出ている」
「上の歯よりも下の歯が前に出ている」
「歯並びがデコボコしている」
「歯と歯の間があいている」など、
不揃いな歯並びを不正咬合といいます。
矯正歯科では、矯正装置を使ってこの不正咬合を治し、噛み合わせと歯並びをきれいに整える治療を行ないます。
矯正治療のメリット
コンプレックスが解消され、イメージが良くなる
歯並びにコンプレックスがあると、笑顔を見せられなくなるなど心理面に悪影響を及ぼすことがあります。しかし、歯並びが美しくなって見た目が大きく変わると気持ちが前向きになり、自然と笑顔を見せられるようになります。清潔感あふれる笑顔によって印象が大幅にアップし、周りの人と積極的にコミュニケーションをとれるようになります。
虫歯や歯周病の発症リスクが減る
歯並びが整うと歯を磨きやすくなり、歯ブラシがきちんと届くことで歯と歯の間もきれいに磨けるようになります。これにより歯垢や歯石がつきにくくなり、虫歯や歯周病を発症しにくくなります。また、噛み合わせが改善されることで歯にかかる負担が均一になり、歯の寿命を延ばす効果も期待できます。
口臭が改善する
歯並びが悪く、歯と歯が重なっている部分があったりすると、どうしても歯ブラシが届きにくくなります。そのため食べかすが残りやすく、口臭の原因となる細菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。矯正治療によって歯並びを整え、歯を磨きやすくすることで、口臭の原因となる細菌の繁殖を抑え、口臭を改善できます。
体が健康になっていく
歯並びを整えて噛み合わせが改善されると、食べ物をきちんと噛み砕けるようになり、消化器官だけでなく体への負担も軽減できます。噛むときに使う筋肉が正しくはたらくようになるため、全身の筋肉のバランスが良くなり、体の不調が改善されることもあります。
矯正治療のデメリット
矯正装置がついていると歯を磨きにくくなり、歯垢や歯石が溜まりやすくなることから、虫歯や歯周病の発症リスクが高まります。歯が移動するときに歯根が吸収される場合や、歯周組織が損傷を受けることもあるため、お口の中に異変を感じたら、すぐに担当医に診てもらいましょう。
また、硬さや粘着性の高いものを食べることで、種類によっては装置が外れてしまう可能性があるので、食べるときには注意が必要です。
矯正治療は、個人差はありますが一般的に数年という長い治療期間を要します。そのうえ自費診療であり、費用が高額になるので、治療開始前のカウンセリングで担当医としっかりお話しされることをおすすめします。
矯正装置の種類
装置の形状がなめらかなので、口内炎の発症リスクもほぼありません。
また、自分で取り外せるため、装置が邪魔になることなく食事や歯磨きができ快適です。装置自体も簡単に洗浄できるため、口腔内環境を衛生的に保てます。
- ●装置が目立ちにくい
透明なマウスピースを使うので口元の審美性が損なわれず、周囲に矯正治療中だと気づかれにくくなります。
- ●自分で取り外せる
装置のない状態で食事や歯磨きができ、ストレスがありません。洗浄も簡単なので衛生的です。
- ●痛みや違和感がほとんどない
弱い力で画を動かすので、一般的な矯正装置に比べて痛みや違和感が軽減されます。
- ●金属アレルギーの心配がない
装置に金属が含まれていないため、金属アレルギーの方でも安心して治療を続けられます。
- ●自己管理が必要になる
矯正効果を得るため、1日20時間以上の装着が推奨されています。装着時間が短い場合、治療期間が長引いたり、効果を得られないことがあります。
- ●適応しない症例がある
軽度~中等度の不正咬合(悪い歯並び)であればマウスピース矯正が適応しますが、重度の場合はほかの矯正装置が必要になることがあります。
このワイヤー矯正は最も一般的な矯正方法の一つで、長い歴史と実績があります。そのためほぼ全ての症例に適応し、重度の不正咬合でも美しい歯並びへ改善することができます。
- ●装置を取り外しが不要
装着したままなので、歯に常に一定の力がかかり、安定した治療効果が期待できます。
- ●細かい調整がしやすく、適応症例が多い
ワイヤーの長さや張力を細かく調整できるため、歯を精密に動かすことができ、複雑な歯並びの改善にも適応します。
- ●装置が目立つ
歯の表側につけたブラケットが目立つため、見た目を気にされる方にとっては心理的な負担になります。
- ●違和感が出やすく、食べづらさを感じる
歯の移動にともなう痛みやお口の中の異物感があるため、食事のときに食べづらさを感じることがあります。
症例
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矯正治療の流れ
一般的に以下のような流れで矯正治療を行なっています。
症状や使う装置により工程が異なることがあるので、詳しくは実際の治療のときにご説明します。
初診カウンセリング
お口の中を診察し、カウンセリングします。
矯正治療について気になっていること、疑問、ご要望などをお聞きしたうえで、矯正治療担当医が治療の適切な開始時期、使用が予測される装置、治療期間、治療費などについてご説明いたします。年齢が高校生以下の方は、ご家族の方とご来院ください。
精密検査
より詳しい情報を得るため、精密検査を行ないます。口腔内・顔面写真撮影、頭・歯部レントゲン撮影により、現在の歯並びの状態を把握します。また、歯並びの模型を作って噛み合わせを確認します。そのほか、必要に応じて、顎関節のレントゲン写真撮影や顎機能検査(顎の動きを調べる検査)を行ないます。
診断(治療計画説明)
精密検査の結果をもとに、今後の治療計画について具体的にご説明します。また、治療法・期間、ご希望の矯正装置などをもとに、治療費を決めます。矯正治療についての疑問などを解消でき、治療内容・方針についてきちんとご理解・ご満足いただけるようであれば、次回から本格的な矯正治療を始めます。
歯磨き指導・口腔内清掃
矯正治療が始まると、歯に装置がつき歯ブラシが細部まで届きにくくなるため、虫歯には注意が必要です。そのため、歯磨きや口腔内清掃についての知識と技術をご指導させていただき、矯正装置の装着へと進みます。
装置装着・動的治療開始
矯正装置をつけた後、通常は3~6週間に1回の頻度で通院していただき、治療計画に基づいて矯正装置やワイヤーの調整などを行ないます。
個人差がありますが、平均的な治療期間は約2年半です。
保定期間・メンテナンス
噛み合わせと歯並びが整ったところで、保定装置によるメンテナンス期間に入ります。装置を外した後の歯は、何もしなければ元に戻ろうと少しずつ動いてしまう『後戻り』をしてしまうので、動かした歯を支える骨や歯周組織が安定するまで、保定装置をつけます。この期間は、矯正治療後のアフターケアを行なううえでとても大切です。 さまざまな矯正装置のなかから、もとの不正咬合の状態に合わせた適切な保定装置を選びます。2~6ヵ月に1回の頻度で定期検診を受診いただきます。この間に咀嚼や発音など口周りの動きと、歯並び・歯との調和がとれてきます。保定期間・メンテナンスの長さは約2年となりますが、来院できればその後も経過観察を続けていきます。
矯正治療にともなう一般的なリスク・副作用
- ・矯正治療の一般的な治療費は60万~150万円、一般的な治療期間は2~3年、一般的な治療回数は24~36回となります。使用する装置、症状や治療の進行状況などにより変化しますので、参考程度にお考えいただき、詳細は歯科医師にご確認ください。
- ・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- ・最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
- ・治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生えそろっている場合は、一般的に1年半~3年を要します。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~2年、永久歯がすべて生えそろったあとに行なう第2期治療で1~2年半を要することがあります。
- ・歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
- ・装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- ・治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
- ・歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
- ・ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ・ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
- ・治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
- ・治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- ・問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
- ・歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
- ・矯正装置を誤飲する可能性があります。
- ・装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
- ・装置を外したあと、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- ・装置を外したあと、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
- ・顎の成長発育により、歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
- ・治療後に、親知らずの影響で歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
- ・加齢や歯周病などにより、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。
- ・矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。
マウスピース矯正にともなう一般的なリスク・副作用
- ・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- ・正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果を得られないことがあるため、きちんとした自己管理が必要になります。
- ・ご自身で取り外せるため、紛失することがあります。
- ・症状によっては、マウスピース型矯正装置で治療できないことがあります。
- ・お口の中の状態によっては、治療計画どおりの結果が得られないことがあります。
- ・装着したまま糖分の入った飲料をとると、虫歯を発症しやすくなります。
- ・治療によって、まれに歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
- ・食いしばりの癖が強い方の場合、奥歯が噛まなくなることがあります。
- ・治療途中で、ワイヤーを使う治療への変更が必要になることがあります。
- ・お口の状態によっては、マウスピース型矯正装置に加え、補助矯正装置が必要になることがあります。
- ・治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
- ・薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外となることがあります。
薬機法において承認されていない医療機器「マウスピース型矯正装置」について
- 当院でご提供しているマウスピース型矯正装置は、薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器となりますが、当院ではその有効性を認め、導入しています。
- ◦未承認医療機器に該当
- 薬機法上の承認を得ていません(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2024年11月11日最終確認)。
- ◦入手経路等
- アライン・テクノロジー社(日本法人:インビザライン・ジャパン合同会社)より入手しています。
- ◦国内の承認医療機器等の有無
- 国内では、マウスピース型矯正装置と同様の性能を有した承認医療機器は存在しない可能性があります(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2024年11月11日最終確認)。
- ◦諸外国における安全性等にかかわる情報
- 1998年にFDA(米国食品医薬品局)により医療機器として認証を受けていますが、情報が不足しているため、ここでは諸外国における安全性等にかかわる情報は明示できません。今後重大なリスク・副作用が報告される可能性があります。
- ◦医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の救済対象外
- 国内で承認を受けて製造販売されている医薬品・医療機器(生物由来等製品である場合に限る)・再生医療等製品による副作用やウイルス等による感染被害で、万が一健康被害があったとき、「医薬品副作用被害救済制度」「生物由来製品感染等被害救済制度」などの公的な救済制度が適用されますが、未承認医薬品・医療機器・再生医療等製品の使用は救済の対象にはなりません。また、承認を受けて製造販売されている医薬品・医療機器・再生医療等製品であっても、原則として決められた効能・効果、用法・用量および使用上の注意に従って使用されていない場合は、救済の対象にはなりません。
- 日本では、完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
- ※当該未承認医薬品・医療機器を用いた治療の広告に対する注意事項の情報の正確性について、本ウェブサイトの関係者は一切責任を負いません。